どうも!あべちゃんです!
今回は引込み経路による違いについて解説します。
一緒に勉強頑張りましょう!
引込み経路による違いと規程
PAS〜キュービクルまでの高圧ケーブルに引込み経路により様々な違いがあります。
代表的なとこで言えば地中電線路ですね、水トリーの被害を受けやすい引込み経路です。
それぞれの違いを認識し適切な点検をしましょう。
架空電線路
架空電線路の支持物の昇塔防止
架空電線路の支持物には、感電の恐れがないよう取扱者以外の者が容易に昇塔できないように適切な措置を講じなければならない。(24条)
架空電線路の支持物に取扱者が昇降に使用する足場金具等を施設する場合は、地表上1.8m以上に施設すること。(解釈53条)
↑この後「ただし」と続きますが当てはまる事がそうそうないため割愛しました。
電気設備技術基準 第24条 解釈53条
低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設
高圧受電設備規程 解釈67条
- 高圧ケーブルをハンガーによりちょう架用線に支持して施設する場合は、ハンガーの間隔は50cm以下であること。
- ちょう架用線及びケーブルの被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと。
架空電線路の支持物の昇塔防止
・例えば公共施設であれば不特定多数の人が電柱付近を往来します。
その中にはもちろん子供もいる訳ですよね、もし電柱に登ってしまい感電した場合、感電の衝撃により高所からの落下や感電で大怪我を負う恐れがあります。
低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設
・PASから引き込む経路の支持として電柱やちょう架用線が用いられます。
ハンガーにより第一支持点にかかる荷重を緩和していますので、ハンガーの間隔が適切でない場合、シュリンクバックのリスクが高くなります。
その他にも、ケーブルの高さの規程もあります。(解釈68条)参照ください。
架空電線路による引込みの場合は、人が触れる恐れが低く取替が容易という特徴がありますが、
環境の影響を受けやすいというデメリットがあります。
『シュリンクバックとは』
ブラケットの上部(端末処理されてる所付近)で発生する事が多いです。
点検時に双眼鏡等により点検する必要があります。肉眼では見えにくいです。
ブラケットのゴムスペーサがズレ落ちて来ている事でも兆候を確認できます。
遮蔽層や半導電層が露出してくる事で水の侵入や電界傾度の集中により絶縁破壊が発生します。
地中電線路
地中電線路の保護
電気設備技術基準 第47条
- 地中電線路は、車両その他の重量物による圧力に耐え、かつ、当該地中電線路を埋設している旨を表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設しなければならない。
- 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、防火措置を講じなければならない。
地中電線路の施設
地中電線路は、電線にケーブルを使用し、かつ、管路式・暗きょ式・直接埋設式により施設すること。
- 地中電線路を管路式により施設する場合は以下によること。
1.電線を収める管はこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものである事。
2.高圧又は特別高圧の地中電線路には下記により表示を施すこと。
・物件の名称・管理者名・電圧を表示すること。
(需要場所に施設する場合には物件の名称・管理者名を除く)
・おおむね2mの間隔で表示すること。- 地中電線路を暗きょ式により施設する場合は以下によること。
1.暗きょ式は、車両その他の重量物の圧力に耐えるものであること。
2.下記のいずれかにより防火措置を施すこと。
・地中電線に諦念措置を施すこと。
・地中電線を延焼防止テープ・延焼防止シート・延焼防止塗料その他これらに類するもので被覆する事こと。
・地中電線を管又はトラフに収めること。- 地中電線路を直接埋設式により施設する場合は以下によること。
1.地中電線の埋設深さは、下記表によること。
2.地中電線を衝撃から防護するため、以下により施設すること。
・地中電線を堅牢なトラフその他の防護物に収めること。電気設備技術基準 解釈120条
車両その他の重量物の圧力を受ける 車両その他の重量物の圧力を受ない 1.2m以上深く 0.6m以上深く
こちらでも解説しましたが掘削工事中に地中電線を傷つけてしまい事例がよく発生しています。もちろん停電に繋がりますし、復旧に時間を要します。
また、重量物による圧力を受ける事でケーブルにストレスがかかり絶縁劣化することが想定されます。工事期間中にしか施工状況が確認できませんので十分確認しておく必要があります。
よくあるのが恐らく管路式かと思います。鋼管や合成樹脂管が多い。
管路式の場合は、高圧受電設備技術規程に基づき、「埋設深さを地表面0.3m以上として施設する場合は、車両その他の重量物の圧力に耐えるものとする。」により施設する。
※舗装がある場合には舗装下面から0.3m以上です。
また、地中電線路は水トリーを受けやすいため注意する必要があります。
水トリーに関してはこちらで解説しています。絶縁劣化に直結します。
屋側電線路
高圧屋側電線路の施設
高圧屋側電線路は以下のいずれかに該当する場合に限り施設する事ができる
・1構内又は同一基礎構造物及びこれに構築された複数の建物並びに構造的に一体化した1つの建物に施設する電線路の全部又は一部として施設する場合
・1構内等専用の電線路中、その構内等に施設する部分の全部又は一部として施設する場合
・屋外に施設された複数の電線路から送受電するように施設する場合高圧屋側電線路は、以下のにより施設すること。
電気設備技術基準 解釈111条
・展開した場所に施設すること
・第145条第2項の規程に準じて施設すること
・電線はケーブルであること
・ケーブルには接触防護措置を講じること
・ケーブルを造営材の側面又は下面に沿って取付ける場合は、ケーブルの支持点間の距離を2m(垂直の場合は6m)以下とし、かつ、その被覆を損傷しないように取付けること
・管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、A種接地工事を施すこと
※接触防護措置を施す場合はD種接地工事
高圧屋側電線路による施設は、保安上好ましくないため技術上やむを得ない場合を除き行うべきでないです。
また、隠蔽場所での施設は許されません。
建物自体に接続される訳なので、高圧ケーブルの絶縁劣化により建物に電位を発生させないように防護管には必ず接地工事を施してください。
地上電線路
地上に施設する電線路
地上に施設する電線路は、以下のいずれかに該当する場合に限り施設することができる。
・1構内だけに施設する電線路の全部又は一部として施設する場合
・1構内専用の電線路中にその構内に施設する部分の全部又は一部として施設する場合
・地中電線路と橋に施設する電線路又は電線路専用橋等に施設する電線路との間で、取扱者以外の者が立入らないように措置した場所に施設する場合地上に施設する低圧又は高圧の電線路は、以下により施設すること
電気設備技術基準 解釈128条
・交通に支障を及ぼす恐れがない場所に施設すること
・電線がケーブルの場合は以下によること
1.電線を鉄筋コンクリート製の堅牢な開きょ又はトラフに収めること
2.1項の開きょ又はトラフには堅牢なふたを設けること
地上電線路にて施設する場合には、人が触れる恐れがあります。
また、人が触れることによる感電の恐れがあります、金属製のものに収める場合には接地工事を施すこと、また、傷によりケーブルが露出することの無いように堅牢なものに収めましょう。
過去に一度、エフレックスが使用されていた事があります。堅牢では無いですよね。
ども!お疲れ様です!
引込み方法による違いについて解説しましたが、4つ全て出会う機会はあると思います。
特に架空電線路・地中電線路で施工されていることが非常に多いためよく理解しておく必要があります。
水トリーやシュリンクバックは絶縁劣化を引き起こす重要な要因です。注意して点検しましょう
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