接地とは何か/接地を知る(電気設備技術基準編)

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あべちゃん
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ども!あべちゃんです!

接地に関しては「接地とは何か」や「接地抵抗測定を知る」でも解説をしています。

しかし、これだけでは接地の知識はまだまだです。

接地に関しては電気設備技術基準だけでなく民間規程でも多くの決まりごとがあります。

今回は中でも電気設備技術基準に記載の内容について解説していきます。

電気設備技術基準 省令

「電気設備の接地」

電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない

電技省令第10条

「電気設備の接地の方法」

電気設備に接地を施す場合は、電流が安全かつ確実に大地に通ずる事ができるようにしなければならない

電技省令第11条

あべちゃん
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感電や火災を防ぐために接地を施しましょう。接地を施すんであれば安全かつ確実に大地に電流が流れように施工しましょう。という事です。

電線の接続方法がが内線規程で規程されています。

接続部分にはスリーブ、電線コネクタの類を使用して接続するか、又はろう付けする事こと」(一部抜粋)

電気設備技術基準の解釈

「工作物の金属体を利用した接地工事」

鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の建物において、当該建物の鉄骨又は鉄筋その他の金属体(以下鉄骨等という)を、第17条第1項から第4項までに規定する(A種からD種)接地工事その他の接地工事に係る共用の接地極に使用する場合には、建物の鉄骨又は鉄筋コンクリートの一部を地中に埋設するとともに等電位ボンディングを施すこと
また、鉄骨等をA種接地工事又はB種接地工事の接地極として使用する場合には、さらに次の各号により施設すること、なお、これらの場合において鉄骨等は接地抵抗値によらず、共用の「接地極として使用する事ができる。

あべちゃん
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ビル等の建物鉄骨部を接地極として使用しても良い条件を定めた条文です。

C種及びD種接地工事に関しては無条件

A種及びB種接地工事に関しては以下1〜4号により施設

  1. 特別高圧又は高圧の機械器具の金属製外箱に施す接地工事の接地線に1線地絡電流が流れた場合において、建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に50Vを超える接触電圧が発生しないように、建物の鉄骨又は鉄筋は、相互に電気的に接続されていること
  2. 前号に規定する場合において、接地工事を施した電気機械器具又は電気機械器具以外の金属製の機器若しくは設備を施設する時は、これらの金属製部分間又はこれらの金属製部分と建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に、50Vを超える接触電圧が発生しないように施設すること
  3. 第1号に規定する場合において、当該建物の金属製部分間と大地との間又は当該建物及び隣接する建物の外壁の金属製部分間に50Vを超える接触電圧が発生しないように施設する事、ただし、建物の外壁に金属製部分が露出しないように施設する等の関電防止対策を施す場合は、この限りでない。
  4. 第1号、第2号及び第3号の規定における1線地絡電流が流れた場合の接触電圧を推定するために用いる接地抵抗値は、実測値又は日本産業規格JIS T 1022(2006)「病院電気設備の安全基準」の「附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算」によること
あべちゃん
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建物鉄骨を接地極とすることは漏電等が発生した時に鉄骨に電流が流れるということです。そしてその建物には大勢の人が出入りします。

その人たちが感電しないために定められている規定です。

建物鉄骨や電気機器、金属製の外箱を有する設備をお互いに接続するのはそれら同士で電位差を発生させないためです。

電位差が無ければ電流は流れませんので人が感電することは理論上あり得ません。

『2項』

大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体はこれを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用する事ができる

  • 非接地式高圧電路に施設する機械器具に施すA種接地工事
  • 非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事
あべちゃん
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接地抵抗値が2Ω以下であれば大電流が流れても電位が大きく上昇する事がないため接地極としての使用が許可されます。

電技解釈 第18条

「高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設」

高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路を結合する変圧器には次の各号によりB種接地工事を施すこと

  1. 低圧側の中性点
  2. 低圧電路の使用電圧が300V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難い時は、低圧側の1端子
  3. 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の混触板

電技解釈 第24条

あべちゃん
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1.単相・Y結線

2.△結線

3.400V系統

「計器用変成器の二次側電路の接地」

高圧計器用変成器の2次側電路には、D種接地工事を施すこと。

特別高圧計器用変成器の2次側電路には、A種接地工事を施すこと。

あべちゃん
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低圧用の計器用変成器の二次側の接地は規定されていません。

電技解釈第28条

「機械器具の金属製外箱の接地」

電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱には使用電圧の区分に応じ、下表に規定する接地工事を施すこと。
ただし、外箱を充電して使用する機械器具に人が触れる恐れがないように柵などを設けて施設する場合又は絶縁台を設けて施設する場合は、この限りでない。

機械器具の使用電圧の区分接地工事
300V以下D種接地工事
300V超過C種接地工事
高圧又は特別高圧A種接地工事

[2項]

機械器具が小出力発電設備である燃料電池発電設備である場合を除き、次の各号のいずれかに該当する場合は、第1項の規定によらないことができる

  1. 交流の対地電圧が150V以下又は直流の使用電圧が300V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
  2. 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うよう施設する場合
  3. 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造の機械器具を施設する場合
  4. 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器を(2次側線間電圧が300V以下であって、容量が3KVA未満のものに限る)を施設し、かつ、当該変圧器の負荷側の電路を接地しない場合
  5. 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作型のものに限る)を施設する場合
  6. 金属製外箱の周囲に適当な絶縁台を設ける場合
  7. 外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合
  8. 低圧用若しくは高圧用の機械器具、第26条に規定する配電用変圧器若しくはこれに接続する電線に施設する機械器具又は第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路に施設する機械器具を、木柱その他これに類する絶縁性のものの上であって、人が触れる恐れがない高さに施設する場合

電技解釈第29条

あべちゃん
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[第1項]では金属製外箱を有する電気設備への接地工事の施設、また[第2項]では接地工事の省略条件が記載されています。

1〜5を覚えておけば問題ないと思います。

1.電灯用の機械器具に適用されます

2.電灯用・動力用が対象です、地絡経路が無いため

3.そもそも漏電しにくいため

4.絶縁変圧器の二次側が接地されていないと地絡経路が無いため

5.感電したら漏電遮断器が動作してくれます

「低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設」

[第1項 第4号]

  • ちょう架用線及びケーブルの被覆に施設する金属体にはD種接地工事を施すこと、ただし、低圧架空電線にケーブルを使用する場合において、ちょう架用線に絶縁電線又はこれと同等以上の絶縁効力のあるものを使用する時は、ちょう架用線にD種接地工事を施さない事ができる

電技解釈 第67条

「特別高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設」

[第1項 第3号]

ちょう架用線及びケーブルの被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと

電技解釈 第86条

「高圧屋側電線路の施設」

[第2項 第7号]

管その他のケーブルを収める防護措置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、これらのものの防護措置を施した部分及び大地との間の電気抵抗値が10Ω以下である部分を除き、A種接地工事(接触防護措置を施す場合は、D種接地工事)を施すこと

電技解釈 第111条

あべちゃん
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高圧屋側電線路において、ケーブルを収める管等にはA種接地工事を施すこと

また、管等に接触防護措置を施す場合はD種接地工事を施すことが規定されてます。

金属管だけでなく、プルボックス等も対象です。

また、「電技解釈第168条 高圧配線の施設」や「電技解釈第169条 特別高圧配線の施設」にも同様の規程があります。

「金属管工事」

[第3項 第4号]

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、管には、D種接地工事を施すこと、ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない

  1. 管の長さが4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合
  2. 屋内配線の使用電圧が直流300V以下又は交流対地電圧150V以下の場合において、その電線を収める管の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

「金属ダクト工事」

[第3項 第7号]

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと

[第3項 第8号]

低圧屋内配線の仕様電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと、ただし、接触防護措置を施す場合は、D種接地工事による事ができる

「バスダクト工事」

[第6号]

低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと

[第7号]

低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと、ただし、接触防護措置を施す場合はD種接地工事による事ができる

あべちゃん
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これにて電気設備技術基準編は終了です。

電技解釈第17条・24条はこちらで解説しています。接地に関しての超基本的な知識を投稿しています。ぜひどうぞ!

今後は高圧受電設備規程編、内線規程編を投稿しますのでご覧ください!

また、今回の接地工事省略条件について一部抽出し、さらに個人的に省略したいない場面も解説しています。

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