どうも!今回は接地抵抗について基礎的な内容を勉強していきましょう!
電気保安管理において非常に重要な内容なので一緒に覚えましょう!
接地とは
機器や回路を大地に接続する事を言います。
異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電・火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を防ぐもの。
電技第10条
簡単に言うと事故時の異常電圧や漏電から機器や人体・物件を保護するものです。
接地を施す事を接地工事と言いますが、接地工事には以下の4種類があります。
接地工事
接地工事種(呼び) | 判定基準 | 適用範囲※2 | 対象機器 |
A種接地工事(EA・1種) | 10Ω以下で良 | 高圧・特別高圧※3 | PAS・VCB・Tr外箱etc |
B種接地工事(EB・2種) | 計算による※ | 変圧器二次巻線 | Tr二次巻線・混触防止板etc |
C種接地工事(EC・特別3種) | 10Ω以下で良※1 | 使用電圧300V超過 | 太陽光・レントゲンetc |
D種接地工事(ED・3種) | 100Ω以下で良※1 | 使用電圧300V以下 | 低圧機械器具・洗濯機etc |
※2電技解釈29条より引用
※3高圧用計器用変成器の二次側電路にはD種接地工事、特別高圧用計器用変成器の二次側電路にはA種接地工事を施すこと。 (電技解釈28条)
A種接地工事
接地種 | 判定基準 | 接地線 |
A種 | 10Ω以下で良 | 引張強さ1.04KN以上の金属線又は2.6mm2以上の軟銅線 |
・A種接地工事対象機器(例. PAS・LA・DS・VCB・LBS・Tr・SR・SC・VCS・金属管)
規程
接地極及び接地線を人が触れる恐れがある場所に施設する場合は以下により施設すること
電技第17条
- 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設すること
- 接地極を鉄柱その他の金属体に近接して施設する場合は、以下によること
- (イ)接地極を鉄柱その他の金属体の底面から30cm離して埋設すること
- (ロ)接地極を地中で金属体から1m以上離して埋設すること
- 接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)又はケーブル(通信用は除く)を使用すること。ただし、接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には接地線の地表上60cmを超える部分についてはこの限りではない。
- 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は合成樹脂管又はこれと同等以上の絶縁効力のあるもので覆うこと。
A種接地工事は高電圧に適用される接地種のため基準となる接地抵抗値が低く設定されています。他の接地種も共通ですが季節や天気によって接地抵抗値が変動します。いかなる場合であっても基準値を下回るよう管理をしましょう。時間の経過により地盤が変質し接地抵抗値が高くなる事もあります。施工時、抵抗値が高いようであれば改善を依頼しましょう。
B種接地工事
接地種 | 判定基準 | 接地線 |
B種 | 計算による※1 | 引張強さ1.04KN以上の金属線又は2.6mm2以上の軟銅線 |
・B種接地工事対象機器(例.Tr二次巻線・混触防止板)
判定基準(計算)
接地工事を施す変圧器の種類 遮断時間(s) 接地抵抗値(Ω) 高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と
低圧電路を結合するもの1秒を超え2秒以下 300/Ig 高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と
低圧電路を結合するもの1秒以下 600/Ig Ig:当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の1線地絡電流
→つまり、受電点に設置されている(D)GRの連動動作時間が遮断時間となる。
上記以外の場合は600に1線地絡電流を除した値が接地抵抗値となる。・1線地絡電流:変圧器の高圧と低圧が混触したときにB種接地線に流れる電流
計算式)1+{(V,L/3)ー100}/150+{(V ,L, )/3ー1}/2=Ig
電技解釈第17条17ー1表・17 ー2表V, :電路の公称電圧(K V)
L:同一母線に接続される高圧電路(Km)
L, :同一母線に接続される高圧線路(Km)
B種接地抵抗は電力会社の配電系統によって異なります。(毎年変わります)
竣工試験で適合の確認が必要になります。それまでには電力会社に問い合わせ把握しておく必要があります。
B種接地工事は個人的に特殊な接地種だと思っています。高すぎても低すぎてもそれぞれにメリット・デメリットが存在します。今回は基礎的な説明なので説明は省きますが別の投稿で詳しく解説しようと思います。
C種接地工事
接地種 | 判定基準 | 接地線 |
C種 | 10Ω以下で良※1 | 引張強さ0.39KN以上の金属線又は1.6mm2以上の軟銅線 |
・C種接地工事対象機器(例.太陽光発電設備・照明設備・△ーYの400V回路)
適用範囲としては使用電圧が300Vを超える電路になります。
ちなみに、使用電圧300Vを超える回路にはELBの施設が必須です。
C種接地工事の基準値は10Ω以下です。数多くの高圧需要家の設備を見てきましたがあまり目にすることがない接地種です。(もちろん地域によります。太陽光とか特に)
電気使用場所の機器アースの測定においてもC種接地工事の適用範囲の機器の場合の測定値は
10Ω以下である必要があります。注意しましょう。
D種接地工事
接地種 | 判定基準 | 接地線 |
D種 | 100Ω以下で良※1 | 引張強さ0.39KN以上の金属線又は1.6mm2以上の軟銅線 |
・D種接地工事対象機器(例.高圧用計器用変成器二次側・機器)
適用範囲としては使用電圧が300V以下の電路になります。
多くの需要家で電気使用場所の機器アースに適用される接地種のためご存知の方がほとんどかと思います。
D種接地工事が一番身近なものだと思います。
基準値としては100Ω以下ですが感電の防止に関して言うともちろん低い方が安全性は高いです。ELBやLGR等の保護機器の正常動作の鍵にもなるので慎重に点検しましょう。
接地抵抗測定や接地工事の省略条件が存在しますが別の投稿で説明します。
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