どうも!あべちゃんです!
今回は断路器の概要や取付け箇所による注意、またロック機構やインターロックについて解説していきます。
一緒に勉強頑張りましょう!
断路器について知る
断路器には消孤室がありませんので、負荷電流の開閉ができません。
また、負荷電流が開閉できませんので当然ですが事故電流の遮断もできません。
種別 | 負荷電流の開閉 | 事故電流の遮断 | 対象機器(例) |
断路器 | ✖️ | ✖️ | 断路器(DS)・高圧カットアウト(PC) |
開閉器 | ◯ | ✖️ | 高圧交流負荷開閉器(LBS)・PAS |
遮断器 | ◯ | ◯ | 真空遮断器(VCB)・パワーヒューズ(PF) |
断路器や高圧カットアウトスイッチも断路器となりますので覚えましょう。
操作する時は負荷電流が通じていない状態で操作して下さい。アークにより負傷します。
断路器の銘板について
富士電機製 型式:V3-4Z/192
定格電圧:その負荷開閉器に加えることが可能な使用電圧の限度 3.6KV/7.2KV
定格電流:規程する温度上昇を超えることなく連続的に通電できる電流の限度 400A
定格短時間耐電流:定格短時間(標準は1秒)内に流す事のできる大電流の上限 12.5KA
絶縁階級:開閉サージ電圧や雷サージ電圧に対する絶縁強度を示します。 6号A
高圧系統では6号Aが標準となっています。
断路器の接地
断路器にも当然 接地工事が必要になります。
接地に関して詳しいことはこちらを参照ください。
断路器には操作方式により構造の違いが多少あります。
三極単投型:三相を一括で操作します。三相で一つとして構造されています。
単極単投型:三相を単相づつ操作します。一相づつ分かれた構造をしています。
単極単投型
三極単投型
左図(単極単投型)には一相づつ接地工事を施します。
右図(三極単投型)には本体に接地工事を施します。
断路器のラッチ機構
断路器が自然に開放しないようにラッチ機構が存在します。
左図のラッチ機構を拡大したのが右図になります。
断路器を操作する時はフック棒をこの輪っかに入れて操作します。
投入操作時:受け刃側にある窪みにブレード側のラッチ機構付属の凸部が入り込みロックされます。
開放操作時:ラッチ部を引くことで凸部が受け刃の窪みから外れロックを解除し開放します。
説明が難しくて分かりにくいですが、一度実物で確認してみて下さい。
三極単投型はバネによる操作方式をとっています。バネの伸縮によって開閉操作を行います。
また、バネの張力によって投入状態を保持する事が可能です。
設置方向について
断路器の取付けは以下による事が望ましい。
高圧受電設備規程 1150-2
- 操作が容易で危険の恐れがない箇所を選んで取付けること。
- 縦に取り付ける場合は、接触子を上部とすること。
- ブレードは、開路した場合に充電しないように負荷側に接続すること。
- 垂直面に取り付ける場合は、横向きに取り付けないこと。
設置する向きには注意が必要です。
接触子を下(ブレードが上)にすると開放したはずのブレードが徐々に下がっていき電源側と接触し電路が充電する恐れがあります。
また、垂直面に取り付ける場合に横向きに設置すると刃が自重や重力により下がっていき相間短絡の恐れがあります。
インターロックと遮断器
インターロック:機械の安全装置などの仕組みの一つで、設計時に決められた複数の条件がすべて揃わないと機能が有効にならないよう制御する方式
例えば、断路器は遮断器が開放されている状態で操作します。断路器が負荷電流の開閉不可のためです
ですが、人的ミスにより遮断器を投入した状態で断路器を操作するとアーク事故に至ります。
このようなトラブルを避けるために機械的にまた、電気的にインターロックが組まれています。
多くは電気的なインターロックが組まれています、
例)断路器操作中⇨遮断器投入不可
ミニリレーによりシーケンス制御が組まれており、断路器が操作中は接点がブレークし
遮断器投入の回路をストップさせるみたいな感じです。
断路装置付きの遮断器(引き外し型)
電動バネ方式の遮断器にのみ付く機能ですね。
シーケンスで自動投入された時に回路が
充電しないように断路させるんですよね。
また、遮断器同士でインターロックが組まれる事もあります。高圧発電機が設置されている現場はほぼほぼそんな設計になっています。
電気的なインターロックでは遮断器等を手動で操作した場合は防げません。
上記は電気的なインターロックですが、機械的なものも存在します。
例えば、断路装置付き遮断器です。遮断器を電路から断路したり接続したり出来ますが、だんろ装置が操作中は機械的にインターロックが組まれています。
インターロックレバーが持ち上げられている状態では、投入ラッチ引き外しのレバーが操作不可能になります。
説明が難しいので現物で確認してみて欲しいです。
機器点検のポイント
- 設置・固定状況
- 受け刃・ブレードの変形や肌荒れ
- 接地工事
- 操作のスムーズさ
- 端子の緩み・過熱
- ラッチ部のかかり具合(地面に水平に取り付ける場合は特に注意)
- etc
断路器ですが、投入したと思ってもラッチがかかっていない事があります。
振動や自重で断路器が開放し停電やアーク事故につながる恐れがありますので断路器の投入後はラッチの確認をしっかり行いましょう。
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