どうも!あべちゃんです!
今回は計器用変圧器について解説します。
受電周りの重要な機器ですので勉強頑張りましょう!
計器用変圧器(VT)とは
計器用変成器:電気計器又は測定装置と共に使用する電流及び電圧の変成器
VTは主に受電用の高圧メータや電圧継電器・制御回路用の電源として使用されます。
6600V/110Vや440V/110Vでの変成がメインになっています。
高圧のままでは機器の定格電圧をオーバーするため低圧に降圧しています。
二次側に接続する負荷が少ないため、VTの容量は小さめです。(50VA〜200VAくらい)
変圧器との違いは、計器等の信頼性を上げるため変成の精度が高いところです。
VTの銘板について
定格一次電圧:VTの電源側に加える事が可能な電圧の限度
定格二次電圧:変成されVTに二次側に出力される電圧
確度階級:変成器の定格負担のもとで定格電圧を入力した時の誤差の上限
定格負担(BURDEN):性能が保証される範囲で二次側に接続できる容量
制限負荷(LOAD LIMIT):定格電圧において規格の温度上昇を超過しないで使用できる容量の上限
耐電圧:開閉サージ電圧や雷サージ電圧に耐える上限
制限負荷を超えて使用する場合は、VTが過負荷により焼損する恐れがあります。サーモや励磁音により異常がないか確認しましょう。
また、制限負荷を超えなくても定格負担を超えての使用は機器には悪影響ですので設計段階で気にしておく必要があります。
ちなみに変成器には計測器用と継電器用がありますので注意しましょう。
VTの接地工事
まず、高圧用及び特別高圧用VT本体にはA種接地工事を施す必要があります。(低圧はD種)
また、VT二次側回路にも接地工事を施します。
計器用変成器の二次側端子の接地
高圧計器用変成器の二次側電路には、D種接地工事を施すこと。
特別高圧計器用変成器の二次側電路には、A種接地工事を施すこと。
電気設備技術基準 解釈28条
VTの二次側回路
VT二次側の配線って何に接続されているイメージがありますか。
パッと思いつくのは以下くらいです。
・電圧計
・継電器(OVR,UVR,RPR,UPR)
・制御系統
・コントリ(コンデンサトリップ用機器)
以外と多いですよね、つまり何が言いたいかと言うとVTからの配線って色んな所に行ってるという事です。受電盤には当然ですがコンデンサ盤やき電盤、低圧盤にもいますよね。
簡単な工事だからって遮断器切ってOKじゃなくてDS開放するなり大元の開閉器切るなりして下さいね、感電に繋がりますし。(あんまりいないと思いますが)
また、受電盤下部にはよくVTTというテスト用端子が設けられています。
もちろん通常状態ではVTTは充電しています。触らないことはもちろんですが、
金属物を接近させる事も危険ですので避けて下さい。
VTTの横にはCTTもいます。
CTTは相間を短絡する必要があるためメータを通して短絡されています。
メータで短絡されている場合もありますし、CTTの電源側と負荷側を短絡している場合もある。
ですが!VTTは相間を短絡してはいけません。アーク事故につながります。
となりのCTTが短絡されているからVTTも短絡というように安易に短絡しないように注意して下さい。
無停電点検
こちらでも解説したように、無停電年次点検の条件の一つである「信頼性の高い機器に要件」
責任分界点から主遮断装置に間に電力需給用・地絡保護継電器用・受電電圧確認用・主遮断装置開閉状態表示用・主遮断装置操作用以外の変成器がないこと。
自家用電気工作物保安管理規程 資料5
以上の用途以外の変成器を使用する場合には無停電での年次点検が実施できません。
変成器に関しては基本的にはVCTやVTを差します。
CTは主遮断装置の負荷側に設置されますので。
PAS(VT内蔵)GR試験
停電点検時GR試験をするかと思いますが、その際のGR試験器の電源はGR本体のP1・P2端子を
使用しないで下さい。
VTの定格負荷は◯◯VAとかです。流す電流によってはVTが過負荷で焼損します。
一旦停電してから、他に電源を用意して試験して下さい。
この場合の動作時間はGRの単体動作時間になります。
継電器の試験としては単体動作時間試験でOKですが、保護協調上、連動動作時間も試験はしておきたいですよね。
機器点検のポイント
- 端子部の緩み・過熱
- 接地工事
- 破損
- 設置・固定状況
- 異音・異臭
VTの設置箇所ですが、遮断器の裏側に設置される事が多く、非常に点検が困難です。
月次点検において外観の点検が困難なため停電点検では念入りに点検を行いましょう。
また、VTの異常は異音や異臭でも分かりますが電圧計の指示値の変化によっても分かります。
普段の電圧値を記録し保存しておきましょう。
電圧計の指示値が不良でもVTではなくヒューズの劣化による可能性もあります。
お疲れ様でした。
受電電圧の確認や制御系統の電源に必要な機器です。
VTが事故を起こすと制御電源が消失するため継電器等の保護装置が動作しないような状態に陥ります。地絡や短絡事故の保護が出来ず機器の破損や波及事故に至りますのでしっかり点検しましょう。
また、VTは主遮断装置の電源側に設置されているので主遮断装置の保護対象外ですので、VT自体にヒューズが付属している物を選定して下さい。
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