どうも!あべちゃんです!
今回はCT(計器用変流器)の用途や機器点検のポイント・過電流強度について解説していきます
計器用変流器(CT)とは
計器用変成器:電気計器又は測定装置と共に使用する電流及び電圧の変成器
CTは主に受電用の高圧メータや過電流継電器・電力メータ用として使用されます。
変成比は50/5や100/5など設備の容量に応じた定格電流が適用されます。
二次側に接続する負荷が少ないため、CTの容量は小さめです。(50VA〜200VAくらい)
CTの銘板について
定格電流:一次・二次側端子に定常的に電流を流して性能が保証できる電流値
変流比が50/5のCTで例えると、
一次側に50A流れると二次側に5A流れます。
一次側に25A流れると二次側に2.5A流れる。
貫通形の巻線による定格一次電流:アンペアターン
CT自体は150/5の仕様で製造されているため通常は1ターンで使用します。
ただし、変圧器容量の低下などで150Aの容量が不要になる事もあろうかと思います。
そこで、通常1ターンのところ2ターンすることでCTの定格一次電流を75Aで使用する事ができます。
原理としては2ターンする事で磁界が2倍になり電路に75A流れている状態で150Aを検知するためです。メータは75Aのやつ使いましょう。
高圧でターンする事は見たことありません。
確度階級:定格負担の下で,定格周波数の定格電流を通電したときの比誤差の限度値で表す
耐電圧(KV):商用周波耐電圧/雷インパルス耐電圧
最高電圧:端子に印加できる電圧の上限値(6.6KV系統であれば6.9KV)
過電流強度(OCS):CTの定格一次電流に対して、熱的及び機械的に損傷しない電流の倍数を示した定数
OCS:変流器が1秒間に耐えられる電流の限度値で、短絡電流にどれだけ耐えられるかを表す。
過電流継電器(OCR)+遮断器の保護時間は1秒以内であり、短絡保護されるまでの間に耐える事の出来る電流が定格一次電流の倍数です。
150/5 OCS(40)であれば、6KAです。
CTの接地工事
まず、高圧用及び特別高圧用VT本体にはA種接地工事を施す必要があります。(低圧はD種)
また、VT二次側回路にも接地工事を施します。
計器用変成器の二次側端子の接地
高圧計器用変成器の二次側電路には、D種接地工事を施すこと。
特別高圧計器用変成器の二次側電路には、A種接地工事を施すこと。
電気設備技術基準 解釈28条
VT編でも解説しましたが全く一緒です。
CTの二次側回路
継電器試験で実際にあった事例なんですが、CTの二次配線が継電器やメータだけでなく
電力メータやトランスデューサなど様々な回路に分岐しており継電器の動作が鈍っていた事があります
継電器の端子に配線し単体試験をした結果ではあ問題ありませんでしたが、配線を接続すると継電器の
動作が鈍るようではいけませんよね。
CT二次側の開放厳禁
CTの二次側を開放すると二次側の抵抗が過大になります。
かつ、発生する電圧=電流×抵抗ですのでCTに流れる電流に応じて二次側に発生する電圧が変化します
Youtubeのカフェジカちゃんねるさんの実験においては実効値型テスタで50Vでしたが、
オシロスコープではピーク値で400V程出ておりました。(40Aくらいだった気がする)
CT二次側開放について調べるとたくさん出てきますが、正直分からんですよ。
磁束の説明されても正直難しいので、取り敢えずは開放してはいけない!と覚えておくだけでも十分です。
簡単に説明できる方がいましたらお問い合わせに解説お願いします。
CTT(テスト端子)にはCT側と負荷側の渡りのバーがありますがそれを外すとCT二次側が開放されます
写真は奥にのみバーがありますが、
僕の感覚的には手前にもある方が多いです。
CT側で相間短絡させてメータの交換します。
機器点検のポイント
- 端子部の緩み・過熱
- 接地工事
- 破損
- 設置・固定状況
- 異音・異臭
CTの設置箇所ですが、遮断器の裏側に設置される事が多く、非常に点検が困難です。
月次点検において外観の点検が困難なため停電点検では念入りに点検を行いましょう。
また、サーモマーカやラベルを貼り点検しやすい工夫も必要です。
変成器の異常を点検するにあたって、指示計器にも異常が現れる事が多くメータの指示値とクランプリークメータでの測定値に差が発生します。
CTにはコイルモールド型と全モールド型があります。
モールド樹脂がどこを覆っているかの問題ですが、全モールドの方が熱的な強度が高いです。
また、ワイドレンジCT比ってのがあって、設備の増減設に伴ってCT比を変更する事が出来ます。
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