どうも!あべちゃんです!
機器点検編、今回はPASです。
基本的には全ての現場に取り付けてあるかと思います。(関西地方は除く)
特に冒頭で書く事ないので勉強しましょう!どうぞ!
PASについて知る
上のがPAS(柱上の高圧交流負荷開閉器)です。
種別 | 負荷電流の開閉 | 事故電流の遮断 | 対象機器(例) |
断路器 | ✖️ | ✖️ | 断路器(DS)・高圧カットアウト(PC) |
開閉器 | ◯ | ✖️ | 高圧交流負荷開閉器(LBS)・PAS |
遮断器 | ◯ | ◯ | 真空遮断器(VCB)・パワーヒューズ(PF) |
上図に関しては基本中の基本です。絶対覚えてください!
今回はPAS(開閉器)ですので負荷電流の開閉が可能です。
PASに関しては受電点に設置される事が多いですが関西地方(特に都市部 大阪・神戸・京都)では
出迎え受電と言い、PAS無しに電力会社の開閉器から直接引き込むパターンもあります。
PASの銘板について
今回はPAS(VT・LA内蔵)の銘板です。
定格電圧 | その負荷開閉器に加えることが可能な使用電圧の限度 |
定格電流 | 規定する使用条件で,規定する温度上昇を超えることなく連続的に通電でき る電流の限度 |
定格耐電圧 | 絶縁破壊することなく印加できる瞬間的な電圧の上限 |
トリップ装置 | SOG:SOは過電流蓄勢の事を言い、短絡時のPASのトリップ動作の事を差します。Gは地絡保護です。 |
ZCT番号 | 内蔵されているZCT(零相変流器)の番号 |
ZPD番号 | 内蔵されているZPD(零相電圧検出器)の番号 |
定格短時間 耐電流 | 定格短時間(標準は1秒)内に流す事のできる大電流の上限※ |
定格短絡投入電流 | 負荷開閉器が定格電圧において投入可能でなければならない電流の最大波高値 |
ロック電流値 | SOGが動作する電流値 |
定格過負荷遮断電流 | 定格電圧において遮断できる過負荷電流の上限 |
※:短絡保護協調によるもの。短絡保護されるまでの間は短絡電流に耐えなければならない。
Cについては回数、3回を差します。
制御線の絶縁抵抗
500V | 制御回路と大地間一括にて測定 | 100MΩ以上で良 |
1000V | 開閉器本体と大地間 | 100MΩ以上で良 |
PAS本体と連動動作する接点がトリップ回路内にある機器もあるみたいです。
つまり、PASを投入状態でないとトリップコイルの絶縁抵抗の測定ができません。
もし絶縁が下がっている場合、PAS内部への水の侵入や電線の損傷の恐れがあります。
PASの接地
種別 | 接地抵抗値 | 太さ |
A種接地工事 | 10Ω以下で良 | 5.5sq以上 |
PAS(LA)内蔵の場合はLAとPAS外箱を共用して接地工事を施す。
また、ZCTとZPD等の接地工事に関してはPASの外箱に接続されており、関連機器である(D)GRの
Z2に接地工事を施してしまうと両端接地となり(D)GRの誤動作に繋がります。
また、電柱直下の接地工事の規程については接地とはで解説しています。
黒戸上とオレンジ戸上
戸上製PASの底面に記載されている「戸上」がオレンジ⇨黒に変更されました。
オレンジ戸上:Z2と制御ケーブルシールド用の接地が別で接地されていました。
黒戸上:Z2と制御ケーブルシールド用の接地がPAS外箱の接地工事と共用されました。
PASの接地抵抗測定(A種接地極)の測定がZ2で可能です。他メーカはZ2で可能です。
変更当初は取替工事の際にZ2に接地工事を施し両端接地となり誤動作する事例が多発したそうです。
PAS取替工事後に点検しておきたいポイントです。
機器点検のポイント
- 他物との離隔
- 開閉器及びSOG制御装置(GR本体)に錆や変形・損傷はないか。
- 開閉表示指針は適正な表示か
- ブッシング部に亀裂や損傷・汚損はないか
- 過熱痕はないか
- 操作用ロープの損傷や緊縛の緩みはないか
- SOG制御装置との連動動作は良好か
- etc
・柱上に付いてるPASの外観点検をするには下から覗き込む事になりますが、下部に錆が発生している場合には上部はさらに錆が発生している事が予想されます。
錆が進行すると機械的強度が低下し雨水の侵入に繋がります。停電点検時に確認したいです。
・近くに樹木があると台風等での強風で接触し漏電が発生します。台風の日には雨も強いと思うので絶縁が低下しています。
・SOG制御装置と連動動作しないPASなんか無いようなもんです。連動動作しないと設置している意味がありません。連動動作しない場合は原因調査を行い改修しましょう。
SOGとは
「Storage Over Current Ground」の略称みたいです。
PASは開閉器のため短絡電流の遮断が不可能です。そのため、一旦配電線の停電を待ち、
停電してからPASを開放する機能をSOと言い、地絡保護をする機能がGです。
配電線停電が発生しますが再閉路時にはPASが開放されているため復帰がかかり波及事故を防ぎます。
(D)GRのVb端子とVc端子により過電流蓄勢の役割を担っています。
SOの動作は以下の通りです。
- PAS負荷側〜主遮断装置電源側で短絡事故発生
- 短絡電流によりコイルが励磁され接点が切替りロック
- 配電線停電
- PASが開放
- 再閉路により事故点以外が復元完了
一旦、配電線停電が発生していますが再閉路が完了しているため報告対象外です。
Vbというのはb接点ではありません。
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