どうも!あべちゃんです!
停電点検を3年に1回に緩和するための条件について解説します。
ですが、点検内容に関しては基本的には変わりませんのでその辺の内容については
年次点検について知るを参照下さい。
ちなみに今回の内容は重ためです!
無停電による年次点検について
③年次点検を月次点検に係る②の規程の要件に加え下記の1及び2に掲げる要件に従って行うこと。
主任技術者制度の解釈及び運用(内規) 経済産業省
- 1年に1回以上行う(ただし、信頼性が高く、かつ、下記2の各号と同等と認められる点検が1年に1回以上行われている機器については停電による年次点検を3年に1回以上とする事ができる。)
- 次の(イ)から(ホ)までに掲げる項目の確認その他必要に応じた測定・試験を行う。
(イ)低圧電路の絶縁抵抗が電気設備技術基準第58条で規定された値以上であること、並びに高圧電路が大地および他の電路と絶縁されていること。
(ロ)接地抵抗値が電気設備技術基準の解釈第17条で規定された値以下であること。こちら
(ハ)保護継電器の動作特性試験及び保護継電器と遮断器の連動動作試験の結果が正常であること。
(ニ)非常用予備発電装置が商用電源停電時に自動で起動し、送電後停止すること並びに非常用予備発電装置の発電電圧及び発電電圧周波数(回転数)が正常であること。
(ホ)蓄電設備のセルの電圧、電解液の比重温度等が正常であること。
以上が無停電停電点検の条件になります。
これから、条文の細かい内容について解説に入ります。
上記の条文について簡単に説明します。
信頼性がある機器に限り(イ)から(ホ)を守ったら3年に1回でええでって事です。
「信頼性が高い機器の要件」とは
1.設備を構成する個々の機械器具において、設計上・製作上又は施工上支障がないこと。
(例)リコール制度による届出や保安上の注意喚起の対象でないこと。
2.保安上の観点から、設備構成に一定の信頼性が認められるものであること。下記による。
- 構外にわたる高圧電線路がないもの
- 柱上に設置した高圧変圧器がないもの
- 高圧負荷開閉器に可燃性絶縁油を使用していないこと(キュービクル内に設置するものを除く)
- 保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に地絡保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断器が設置されているもの
- 責任分界点から主遮断装置の間に電力需給用計器用変成器・地絡保護継電器用変成器・主遮断装置開閉状態表示変成器及び主遮断装置操作用変成器以外の変成器がないもの。
2ー4.に関しては基本的には問題ないと思います。(D)GR付けるように規定されていますし、付いていなければ送電してくれないです。
運用上の劣化により(D)GRの動作不良や連動動作しない場合はダメですが
5.VCTやZCT・VTを差します。太陽光用のVTが付いている場合はダメです。
3.設備環境上支障のあるものでではないこと。ただし、適切な対策が講じられているものは除く
(例)腐食性ガスや可燃性ガス等の滞留する場所に設置されているものではないこと。
(例)高温多湿による保安機能の支障が生じる環境に設置されいるものでないこと。
4.使用実績又は維持管理状況を踏まえ、次回の停電点検までの間における設備の信頼性に支障が認められるものでないこと。
(例)前回の停電点検において、内規で定める点検が実施されており、その結果が支障ないものであること。(修理等を行なった場合はその結果も含む)
(例)前回の停電点検以降で実施した無停電での年次点検及び直近までの月次点検の結果が支障ないものであること。
(例)製造者等が推奨する取替更新時期内であるもの又は保安に関する適切な余寿命評価を行なったものであること。
5.保安管理に係る体制に支障があるものではないこと。
(例)年次点検の実施方法が保安規程又は保安規程の下部規程等に定められていること。
3.ですが霧や塩害の発生する地域等では機器の錆により保護装置が正常に働かない場合があります。そうなると波及事故に発展することになります。
このような事故の発生を防ぐために規定されているのかと思います。
4.に関しては当然ですよね、事故の生じる恐れがあるなら停電して取替や精密に点検してよってことです。
「2.(イ)から(ホ)と同等と認められる点検の要件」とは
(イ)低圧電路の絶縁抵抗が電気設備技術基準第58条で規定された値以上であること、並びに高圧電路が大地および他の電路と絶縁されていること。
・絶縁監視装置による監視結果又は漏れ電流計による測定結果が良好であること。
また、外観点検の結果(超音波部分放電探査やサーモグラフィ等による過熱部位の有無の確認を含む)が良好であること。
ロ)接地抵抗値が電気設備技術基準の解釈第17条で規定された値以下であること。こちら
・簡易測定法により測定値に余裕を持って推測する
・過去より直近までの測定値の評価及び接地設備に係る外観点検を持って推測する
(ハ)保護継電器の動作特性試験及び保護継電器と遮断器の連動動作試験の結果が正常であること。
・前回の停電点検時に実施した保護継電器単体の動作特性試験結果が良好であること。
・前回の停電点検時に実施した遮断器のトリップ回路の内部抵抗・絶縁抵抗等の測定結果及び過熱部位の有無等の確認結果に係る測定値等の評価結果が良好であること。また、遮断器のグリスアップ等が適切な頻度で実施されていること。
・前回の停電点検時に実施した保護継電器から遮断器までの設備の外観点検の結果が良好であること。
(ニ)非常用予備発電装置が商用電源停電時に自動で起動し、送電後停止すること並びに非常用予備発電装置の発電電圧及び発電電圧周波数(回転数)が正常であること。
・模擬信号等による起動及び停止と発電電圧及び発電電圧周波数(回転数)が正常であることの確認
(ホ)蓄電設備のセルの電圧、電解液の比重温度等が正常であること。
・蓄電設備のセルの電圧、電解液の比重温度等が正常であること。
どうも!あべちゃんです!
上記の条件を全てクリアした場合に限り3年に1回以上に緩和することが可能です。
判断するのは電気主任技術者なわ訳ですので慎重に決定してください。
停電する場合のメリットやリスク、停電しない場合のメリットやリスクを理解したうえで電気設備の現状により決定するのがベストですが、停電には前もっての準備が必要になってくるかと思いますので急に停電交渉する訳にもいきません。
判断に困ったら停電するように進めていくと良いのかなと思います。
年次点検の点検項目や安全作業につてはこちらで解説してます。
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