どうもあべちゃんです!今回は絶縁抵抗測定についてです!
その測定は正しいですか?ちゃんと絶縁抵抗値は表示されていますか?
それでは勉強頑張りましょう!
絶縁抵抗測定
絶縁抵抗とはその回路の絶縁性能を数値化したものです。
絶縁:電気を通さない性質
つまり、絶縁抵抗が低いと漏電が発生しやすい状態であるという事です。
低圧でも高圧でもこれは共通の考え方です。
電気使用場所はほぼ低圧です。低圧の絶縁低下は人の感電や漏電火災に直結します。
ELBやアースの施設により被害を軽減することは可能ですがそもそも絶縁低下を未然に防ぎましょう。
また、高圧の絶縁低下に関しては構内停電や一部停電等の広範囲に影響が及びます。
工場であれば回転機械付近での作業中に停電が発生すると事故につながります。
また、設備が古くなってきている場合には波及事故(周囲一帯の停電)に繋がる恐れもあります。
交通機関や病院・工場等への被害は甚大なものになると容易に想像がつきますよね。
最悪の場合には損害賠償を請求される場合もあるので慎重に管理して下さい。
絶縁抵抗測定をする上での注意点ですが、電圧を印加する時は周知して下さい。
低圧であればピリッするくらいですが高圧で感電すると結構痛いらしいです。
低圧の絶縁抵抗測定について知る
電気使用場所における使用電圧が低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は開閉器又は過電流遮断器(MCCBやELB)で区切る事のできる電路ごとに下記の値以上でなければならない。
電技第58条
電路の使用電圧 絶縁抵抗値 300V以下 対地電圧が150V以下※1 0.1MΩ 300V以下 その他の場合 0.2MΩ 300Vを超える 0.4MΩ ※1接地式電路においては電線と大地との間・非接地式電路においては電線間の電圧
これは絶縁とはでも説明しました。低圧の絶縁抵抗の判定基準です。
低圧電路の電線相互間及び電路と大地との絶縁抵抗は、電圧に応じ125Vまたは250V
若しくは500Vの絶縁抵抗計で測定すること。
自家用電気工作物保安管理規程 資料4.竣工検査方法と判定基準の例示より
定格測定電圧 適用 100V/125V 100V系の低圧電路及び機器・制御機器 250V 200V系の低圧電路及び機器
上図より低圧回路に使用する絶縁抵抗計は測定電路に応じた電圧が出力できるものを使用すること
基本的に電圧が高い方が正確な測定値が表示されます。
ただし、回路電圧より高すぎる電圧を印加すると回路に接続されている機器の破損に繋がります。
測定回路を知る/回路形成はされてる?
上図のように測定対象回路又は機器が実質的に接地されている必要があります。
実質的に接地とは:接地工事が施されている又は接地機器と接触している
基本的は配電盤や分電盤にてブレーカの負荷側を測定します。
測定手順は以下の通りです。
- バッテリーチェック(バッテリーが少ないと正しい値が表示されない事があります。)
- 無限大チェック・ゼロチェック(正常に動作するかの確認)
- 接地側を盤内のアースに取り付け
- ゼロチェック(接地側のアースが効いているかの確認です。)
- 測定
この時に注意することは
接地側のアースが効いているかを確認することです。アース効いていないと正しい測定値が表示されません。というか、無限大が出ます。
上図にて原理・測定回路について説明します。
LINE側から電圧が印加され、回路及び機器を通って絶縁抵抗計のアース側に電流が流れます。
流れた電流をR=V/Iで算出しています。
流れる電流は絶縁の低い箇所からアースに流れ込む訳ですがそもそも電流が流れ込むアースが無いといけません。そのため木造の建物とか錆が激しい建物は測定値が出づらいです。
つまり、アースの効いていない箇所に接地側を付けても測定値出ません。
ちなみに厳密に言うとアース側が印加側らしいです。その方が絶縁抵抗値が低く表示されるみたいですね。
高圧の絶縁抵抗測定について知る。
高圧及び特別高圧の電路については、大地及び他の電路と絶縁されている事が確認できること
電技第5条
高圧絶縁抵抗の規程と言えばこんなもんです。
これって低圧も一緒だろと思いますが調べた限りの規程を共有します。
詳しい方いらっしゃいましたら「お問い合わせ」より情報提供ください!
絶縁抵抗測定値については、下記の値を参考とする。
3KV電路では3MΩ以上・6KV電路では6MΩ以上であること。
財団法人電気工事技術講習センター 「電気工作物の試験」
個人的にですが、6MΩって低いような気がします。◯GΩは欲しいところです。
理論的には6600(V)/6×106 =1.1m Aですし問題無いのかと思いますけど
R=6600(V)/200×10-3 =33KΩを下回るとGRが動作する。
高圧又は特別高圧の機器及び電路については1000V絶縁抵抗計を使用して測定する。
自家用電気工作物保安管理規程 資料4.竣工検査方法と判定基準の例示より
1000Vにて測定すると記載されていますが、実際の電路は6600Vが多いかと思います。
統計上、1000V〜5000Vにて測定する場合と5000V〜10000Vにて測定する場合では
点検以降の絶縁低下の発見率が変化するとされています。
測定電圧を上げる事で電流が流れやすい状態を作り絶縁低下を発見しやすくします。
機器 | 測定箇所 | 抵抗値(Ω) |
変圧器・放電コイル | 一次巻線と二次巻線及び大地間 二次巻線と大地間 | 100以上 5以上 |
開閉器・遮断器 | 線間及び充電部と大地間 | 100以上 |
避雷器・高圧コンデンサ | 電源から開放して、充電部と大地間 | 100以上 |
高圧配線及び機器一括※ | 電線と大地間 | 100以上 |
※6KV電路では6MΩ以上と記載しましたが実際6MΩは低すぎると思います。また、高圧絶縁抵抗計を用いて測定するのであれば6MΩは恐らく有効測定範囲外であると思います。つまり、メーカー側もその値を測定するように設計していません。そのため、100MΩ以上で良好とするのが一般的かと思います。保安管理においても判定基準を高く設定しておく方が設備の安全性は高いと言えます。
もちろん高圧に関しても測定に際しては回路形成が必須です。
そういう意味でも高圧機器に接地工事が施されているか点検しましょう。
短絡接地器具を取外すタイミングがあると思いますので、
高圧の絶縁測定する時は絶縁用防護具を使用して下さい。
万が一のためにもまた法律的にも(労働安全衛生法)です。
どうも!お疲れ様です!
繰り返しますが測定前のゼロチェックや電圧印加前の周知を徹底して行って下さい。
点検の精度や作業安全に繋がります。
また、絶縁抵抗計の特性の話になりますが低圧・高圧共通して有効測定範囲というものがあります。例)125V/20MΩ 250V/50MΩ
有効測定範囲外の値は測定できていませんので記録する際には注意が必要です。
また、測定電路にコンデンサやケーブルがある場合には静電容量分に電荷がたまります。
感電や機器へのストレスにより事故に繋がる恐れがありますので放電を確実に実施しましょう。
メーカーによっては印加できないようにしたり自動で放電してくれます。(共立さんとか)
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