どうも!あべちゃんです!
本日は高圧カットアウトスイッチ(PC)機器点検や付属ヒューズについて解説していきます。
一緒に勉強頑張りましょう!
PCとは
種別 | 負荷電流の開閉 | 事故電流の遮断 | 対象機器(例) |
断路器 | ✖️ | ✖️ | 断路器(DS) |
開閉器 | ◯ | ✖️ | 高圧交流負荷開閉器(LBS)・PAS・PC |
遮断器 | ◯ | ◯ | 真空遮断器(VCB)・パワーヒューズ(PF) |
PCにも消孤室があるため負荷電流の開閉が可能です。(消孤室についてはこちら)
負荷電流の開閉が可能ですが危険ですので専用のフック棒を使用してください。
PCは陶器で出来ておりヒューズが内蔵されています。
LBSと同様でヒューズが遮断性能を有しています。
ヒューズにも種類がありよく使用されているのはテンションヒューズとタイムラグヒューズです。
銘板について
(E):エナジーサポート
PC-6:型式(屋外でも使用可能です)
7200V:定格電圧(端子に印加する事ができる電圧の最大値)
30A:定格電流(端子に流す事のできる電流の最大値です。また、付属ヒューズの定格電流同様)
2023:製造年数
機器点検のポイント
「各部位の名称及び機能」
- 電線そう入孔:高圧電線を入線する部分。PC側面に付いているため屋外でも使用可能です。
- ちょうつがい:PC本体とふた部分を接続する部分でPCが円弧を描いて操作するために必要です。
- 消孤室:開閉時に発生するアークを消孤する部分です。
- 接触刃:投入時に消孤室に囲われている受け刃に入ります。
- ヒューズ筒保持金具:投入時にヒューズを固定する部分
- 溶断表示筒:ヒューズが溶断した際に突出する部分で溶断を目視で確認できます。
「点検項目」
- 水の侵入痕の有無を確認や屋内用を屋外で使用していないかの確認
- ちょうつがいが外れないように割れピンで固定しているため、割れピンの破損も確認
- 消孤室:本体破損の有無を確認
- 接触子のズレを確認、接触が悪いと過熱します。
- 引っかかりが広がっていないかを確認、接触悪くなり過熱します。
- PCの外観点検にて突出していないかを確認
月次点検においてはほとんど見える部分がないため陶器の外観点検や本体の固定や電線そう入孔を点検します。
年次点検においては上記の内容について点検を実施します。
PCの外観点検と同時にヒューズの外観点検や容量選定が正しいか確認します。
ヒューズについて
PCに取付けられるヒューズはおおよそ以下の3種類あります。
- 限流ヒューズ
- テンションヒューズ
- タイムラグヒューズ
ヒューズにはそれぞれの特徴があるので解説していきます。
ヒューズの選定表(エナジーサポート)を参考ください。
限流ヒューズ
回路の短絡保護用に取付けられ、最大の特徴はヒューズの限流特性です。
限流特性:短絡電流が流れた時、その電流が最大波高値の達する前に(半波)短絡電流を遮断する特性
主にコンデンサ保護用に施設されます。
LBSに施設されているヒューズも限流ヒューズです。
ですが、PF・S形受電の場合にはコンデンサのみならず変圧器やモータの保護をする必要があります。
そのため、(G)・(T)・(M)・(C)の特性があり保護協調をとる事が重要です。
(G):一般用
(T):変圧器用
(M):モータ用
(C):コンデンサ用
それぞれの励磁突入電流に対する定格であり、突入電流による溶断を防ぐため適切な物を選定しましょう。
テンションヒューズ
速動型のヒューズで、過電流耐量が小さく変圧器及び変圧器二次側の保護用として用いられます。
ヒューズエレメント自体が過電流による熱で溶断する事で遮断します。
ヒューズの容量選定に関してはメーカのヒューズ選定表を見るのが一番ですが基本的には
変圧器の一次側定格電流の直近上位です。
タイムラグヒューズ
遅動型で、変圧器の突入電流への耐性が強く過負荷保護用として用いられます。
ヒューズエレメントの一部に低溶解合金が接合され、過電流時には蓄熱される時間により
遮断する時間にタイムラグが生じます。
ヒューズの容量選定に関しては変圧器の一次側定格電流の2倍の直近上位です。
避雷器の断路装置
こちらでも解説しましたが断路器の上位には断路器の施設が推奨されています。
1150ー10 避雷器
高圧受電設備
- 避雷器はそれによって保護される機器の最も近い位置に施設すること(推奨)
- 避雷器には保安上必要な場合電路から切り離せるように断路器等を施設すること(推奨)
避雷器の上位の断路装置としてPCが使用される事がありますが、ヒューズは使用されません。
理由としては、雷電流などで溶断してしまうと避雷器の機能を発揮しないからです。
変圧器やコンデンサの上位に施設される事が多いですが、変圧器の場合300KVA以下、コンデンサの場合は50Kvar以下にのみ施設が可能ですので注意して下さい。
また、PCの内部の点検は停電時にしか出来ませんので忘れずに点検しましょう。
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