接地抵抗測定を知る/アースが一番ムズイ!3点法ってなに!?簡易測定法ってなに!?教えます!

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あべちゃん
あべちゃん

どうもあべちゃんです!今回は接地抵抗測定についてです!

タイトルの通りアースが一番ムズイ!と思っています。

難しい名前の継電器試験やシーケンス試験よりもアースが難しいんです。

まずは接地とは何かをご覧ください!

それでは一緒に頑張りましょう!

接地抵抗測定

まずはおさらいです。下記が接地の基本です。

接地抵抗測定は接地工事の施された接地極の抵抗値を測定する事を指します。

温度や湿度・天気・測定方法によって測定値が変わることがあります。

また、正しい方法で測定を実施しないと何の参考にもなりません。

そのため電技違反していても良好と判断してしまう恐れがあります。

そんな事態を避けるためにも正しい測定方法を学びましょう!

接地工事種(呼び)判定基準適用範囲※2対象機器
A種接地工事(EA・1種)10Ω以下で良高圧・特別高圧※3PAS・VCB・Tr外箱etc
B種接地工事(EB・2種)計算による※変圧器二次巻線Tr二次巻線・混触防止板etc
C種接地工事(EC)10Ω以下で良※1使用電圧300V超過太陽光・レントゲンetc
D種接地工事(ED・3)100Ω以下で良※1使用電圧300V以下※3低圧機械器具・洗濯機etc
※1低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設する時は500Ω以下良
※2電技解釈29条より引用
※3高圧用計器用変成器の二次側電路にはD種接地工事、特別高圧用計器用変成器の二次側電路にはA種接地工事を施すこと。   (電技解釈28条)

接地抵抗の測定方法には2種類あります。

  • 3点法
  • 簡易測定法

3点法(3電極法)

接地抵抗測定用補助極を2本打って測定する方法です。

E・P・Cと表される事が多いですがP・CにつてはS(P)とH(C)に呼び方が変わりそうです。

今回は馴染み深いPとCで説明します。

ちなみに、 S:Sonde(プローブ) H:Hilfserder(補助接地) みたいです。

https://www.kew-ltd.co.jp/support/knowledge/technical/earth(共立電気お客さまサポートより)

現在、直読式の接地抵抗計が一般的に使用されていると思いますが、

電圧降下法という測定方式により接地抵抗が正確に測定できます(正しい測定であれば)

簡単な原理はシンプルです。オームの法則です。R=V/Iで測定されます。

E極を測定したい接地極に、P極・C極をそれぞれ10m間隔で直線的に地面に埋め込みます。

可能な限り直線に配置します。ですが厳しい場合は30度のズレは許容されています。

C極に電流を流して発生した電圧がVとなりますがこの電圧にはE極とC極の抵抗分が含まれます。

そこで、Vpで電圧降下した電圧を検出しその電圧を電流で除した値が接地抵抗値となります。

E=Vp/I となります。

あべちゃん
あべちゃん

可能であれば3点法で測定することが望ましいです。

測定用補助極が打てない場合もあるかと思います。

例えば、測定用補助極の抵抗値が高すぎて測定ができないとか、そんな時は地面に水を掛けて地面の抵抗率を下げることで測定が可能になることもあります。

また、地面がコンクリートの場合を測定が困難かと思います。その場合もコンクリートに水を掛けます。

測定用補助極(P・C)

3点法での測定には測定用補助極(P・C)が必要です。

EとP又、PとCにはそれぞれ10m程度の間隔を空ける必要があります。

なぜ、10mの間隔が必要かと言いますと正直難しくて分かりません!

ただ、Cから電流を流した時に地表面に発生する電圧傾度を無限遠点と考えてみたいな感じです。(笑)

近すぎるとお互いの接地極が干渉し合い検知する地電圧Vpが変化するのかと思います。

正直ここまで気にする必要は全くありません。

気にする必要があるのが測定用補助極の抵抗値です。

メーカーや型式によって変化しますが測定用として使用が可能な接地抵抗値が存在します。

共立電気計器株式会社さまの製品だと10KΩとなっています。

補助極の例条件
湿気がある程良い
コンクリート雑巾やウエスを水に濡らしその上に補助極を置く
砂地水掛けて湿らせる
その他フェンス・ガードレール・建物構造体※・川・支線
建物構造体にD種接地極が導通している場合があります。その場合ただの導通確認になる事があります。(測定値が0.1Ωになる)
これはあくまで導通であり接地極の測定にはなりません。

地電圧の影響

測定しようとしている接地極から漏えい電流が流れていたり、測定用補助極の付近で漏えい電流が流

ている場合には地電圧が発生します。

地電圧が発生していると正しい測定値が出ません。

VpがC極の流した電流に対する地電圧に加え発生している地電圧も検出し、演算してしまうためです。

正しい測定値を記録するためにも測定前に地電圧の確認を行いましょう。

接地抵抗計に地電圧を検出する機能が備わっているかと思います。

地電圧はもちろん低い方が良いですが大体10Vから20V程度は許容されているイメージです。

一度お使いの接地抵抗計の取説を確認してみて下さい。

あべちゃん
あべちゃん

どうも!

測定しようとしても補助極の接地抵抗値が高かったり地電圧が発生していたりすることは現場ではよくあります。

効いてそうな補助極を見つけることが非常に難しいです。そういう意味でもアースってめっちゃ難しいですよね。これは慣れだと思います。現場によっては周囲に補助極として使用できるものが無かったりするので可能であれば竣工試験時に測定用補助極を電気室やキュービクルに用意してもらうと良いと思います。

地電圧に関しては補助極を変えるか停電してから測定するようにしましょう。

簡易測定法(2電極法)

簡易測定法はP極とC極を短絡させて使用します。

接地抵抗値を測定すると言うよりかは導通を確認するようなイメージです。

簡易測定をする場面のほとんどは電気使用場所の機器アースの測定です。

低圧機械器具(洗濯機・空調・チラー・モータ・ポンプ・工作機械・溶接機)等の機器を測定するのに

3点法を用いても良いですがめんどくさいです。なんせ時間がかかります。

https://www.kew-ltd.co.jp/support/knowledge/technical/earth(共立電気お客さまサポートより)

これはC極に電流を流して発生する地電圧を流れた電流で除した値が表示される仕組みです。

この場合の注意点としては表示される測定値はE極とC極の抵抗値を合計したものです。

測定の手順は下記の通りです。

  1. 基準とする箇所の接地抵抗を3点法で測定する。
  2. (P・C)極を測定した箇所に取り付ける。
  3. 測定が必要な機器を測定していく。

以上です。簡単ですよね。増設された機器はその都度アースの確認をしましょう。

ちなみに測定値ですがそれぞれの抵抗値の合計です。

下図によると定電流発生器によって流れる電流はreとRxを通ります。

その時に発生した電圧を抵抗値に変換しているためそれぞれの合計値と言えます。

https://www.kew-ltd.co.jp/support/knowledge/technical/earth(共立電気お客さまサポートより)

あべちゃん
あべちゃん

測定の手順で基準となる極の測定をする意味ですが、上にもあるように表示される値は合計値です。そのため基準極の値を事前に測定しておき表示された値から引くんです。それが本当の抵抗値です。D種であれば100(500)Ω以下ですね。

また、基準極としてよく使用するのは接地極やエレベータ・階段・扉のひんじ・コンセントです

結局は機器にアースが取り付けてあることや基準値以下である事が確認できれば良いです。

ちなみにですけど共立電気計器さんのKEW4300めっちゃ楽なんでおすすめしときます!

地電圧の影響

細かい説明は省きますが簡易測定も地電圧が存在します。

10Vから20Vは許容されているようですが測定するにはメリットがないので停電が可能であれば

ブレーカを開放するかコンセントから抜いて測定するようにしましょう。

コンセントでアースを取ってる場合もあるので注意が必要です。

また、接地が効いていなかったりその機器が漏電して機器表面に電圧が発生している場合もあります。

そんな時に接地を測定してしまうと接地抵抗時に発生する電圧と短絡したり金属部を当てた時にアーク

や機器の損傷等の事故に繋がる恐れがあるので測定は避けて下さい。

あべちゃん
あべちゃん

機器アース測定時の事故ですが実際に発生しているものです。

測定しようと金属部を外箱ねじに当てた瞬間に破裂音と共にアークが発生しました。

低圧ではありますが低圧の方が電流はよく流れますので危険も同様にあります。

十分注意して点検して頂くようにお願いします。

特殊な使い方

特殊な使い方かはわからないですが、建物構造体と接地極の導通の確認に簡易測定法で測定する事が

あります。理由知してはビルの屋上にあるキュービクルだと3点法での測定が困難だったりします。

そのため、建物構造体と接地極の導通を確認し、地上で建物を3点法で測定します。

この方法の悪いところは本当の接地極の抵抗値が測定できない事です。

あくまで、建物構造体と接地極の導通があり建物構造体の接地抵抗は◯◯Ωですよという確認です。

測定回路に接地極が含まれないので測定できていません。

事故時には建物の鉄骨等を通じて大地に逃すことができる確認は取れますが、

それって接地極として使用してて良いのかと私自身も不安になるので好きではありません。

一番良いのは竣工時に測定用補助極を作ってもらう事ですね、なかなか厳しいですけど。

皆さんが竣工試験をするときは依頼してみて下さい。

あべちゃん
あべちゃん

お疲れ様です!内容も難しいし長いので疲れたかと思いますが

接地関連は本当に知識が必要だと思いますので一緒に勉強頑張りましょう!

接地抵抗測定ですが表示されている値が本当に正しいのか測定方法は正しいのか結果を判定する前に再度確認してみて下さい。

3点法の測定値で0.1Ωと表示された時は怪しんでも良いのかなと思います。

恐らく補助極が間違っています。(導通する回路になっていたり)

以上です、低圧の点検アースやELBの施設について別の投稿で解説していきます!

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